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「シズコさん」を読みました

シズコさん

感想:
「100万回生きたねこ」の絵本作家の佐野洋子さんの告白本。シズコさんは「お母さん」。

「母が嫌い」という文が心に痛い。淡々と書かれているけれど、母を嫌いたくて嫌っている人なんているんだろうか。母を否定する事は自分もダメージを受けると思う。そのダメージを「痛い」とは決して言わない作者の少女時代に読んでいて心が苦しくなる。

そして痴呆症状が出てきた母との暮らし。惚けて少女になった母と初めて「距離0」で接した作者。

介護施設に入れた事を「母を捨てた」と言う。自分の生活を削ってもお金を出し、一緒のお布団で寝てあげても「捨てた」という罪悪感から逃れられず苦しむ。もっと気楽に生きている人はたくさんいるのに。逆に愛情を当たり前に受け取っている人たちはたくさんいるのに。

胸がいっぱいになって、たくさん泣いた。

シズコさん

著者:佐野 洋子

シズコさん

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