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「わたしを離さないで」を読みました

わたしを離さないで Book わたしを離さないで

著者:カズオ イシグロ
販売元:早川書房
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出版社 / 著者からの内容紹介
自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。共に青春 の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇 妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々 がたどった数奇で皮肉な運命に……。彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく――英米で絶賛の嵐を巻き起こし、代表作『日の名残り』を凌駕する評されたイシグロ文学の最高到達点

何気なさそうな語り口調で始まるこの本。読み始めは「提供者?」「介護人?」と意味が分からないまま、あまりに善良そうなキャシーの語りに文句も言えず読み進む。

ただ、「提供」の意味が分かった時点で背筋が凍る。以下ネタばれ。

「提供」は「臓器提供」。キャシーのいた施設は移植用の臓器の「量産」施設で、キャシー達は誰とも分からない人間のクローンだということ。そしてキャシー達は臓器を「提供」する提供者になるか、提供者を身体的・精神的にケアする介護人になるかを選択し、それぞれの人生を生きていく。

後半明らかになる学校の先生たちの内面の苦悩。自分達の運命をまだ知らない幼い子供に何を与え、何を与えないべきかの葛藤。

感動・・・・・するという本ではない。読めば深い暗い霧を覗き込んでしまったような気持ちになる。でも、決して悲観的だけではない、むしろ淡々とした語りに途中で本を置けない。こないだ感想を書いた「レンタルチルドレン」等とは次元が違う気がする。「リアル鬼ごっこ」を読んでいる時間があるのならこっちを読むべきだと思う。

しばらく本の感想を全く書いてなかったけど、とても心を動かされたので思わず書いた。

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