「ミノタウロス」を読みました
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ミノタウロス 著者:佐藤 亜紀 |
出版社/著者からの内容紹介
革命。破壊。文学。
「圧倒的筆力、などというありきたりな賛辞は当たらない。これを現代の日本人が著したという事実が、すでに事件だ」福井晴敏氏
20世紀初頭、ロシア。人にも獣にもなりきれないミノタウロスの子らが、凍える時代を疾走する。文学のルネッサンスを告げる著者渾身の大河小説。
よく見させていただいてる某サイトで紹介されていて、読もう読もうと思っていた本。年末年始で読みました。・・・・・年明け1冊目、この本で良かった?
上記の紹介文だと雰囲気が伝わりにくいかも。前半、成り上がった地主の馬鹿ボンのお話から一転、家族も財産も何もかも失った(主人公がそれを「持って」いたのかは疑問だけど)後の殺戮や暴力、強奪が馬鹿ボンの生い立ちと同じ様なテンポで進んでいく。おぉ?同じテンポで語られるコト?と思っているうちに最後まで読んでしまった。
「」(かぎかっこ)の付いた会話が一言も出てこない。これは主人公が他人と気持ちを共有したいとも、分かって欲しいとも思っていない意思表示?でも時々どきっとする文章に出会う。某サイトでも引用されていた部分、私も読みながらノートに書き出した。
人間を人間の格好にさせておくものが何か、ぼくは時々考えることがあった。
何だろう?この主人公では兄が引き止める力にもなったとあるけど、やっぱり”人”なのかな。乾いた殺戮や略奪をする仲間も村の娘と恋に落ちたり、と作者は奥の奥の最後は”人”との関わりが人間の格好を保たせるものとしているのかな。マリーナも結局殺さなかったし。
以前「美濃牛」を読んだ時にも出てきた「ミノタウロス」。母は人間、父は牛という生まれながらに重い枷を背負わされた存在。この主人公も父が実は違う人物だったという経緯がある。カラマーゾフでも「本当の父は?」というテーマが出てきたけど、昔は本当の父親が誰か確定できない、という事があったのかな。そして”父殺し”というテーマは色々深い意味が込められているのかな。
あぁ、感想がまとまらない。お正月早々、混乱の1冊だった。
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