「出口のない海」を読みました
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出口のない海 著者:横山 秀夫 |
出版社/著者からの内容紹介
甲子園の優勝投手は、なぜ、自ら「人間兵器」となることを選んだのか。
人間魚雷「回天」海の特攻兵器。脱出装置なし。
甲子園の優勝投手・並木浩二は大学入学後、ヒジを故障。新しい変化球の完成に復活をかけていたが、日米開戦を機に、並木の夢は時代にのみ込まれていく。死ぬための訓練。出撃。回天搭乗。しかし彼は「魔球」を諦めなかった。
組織と個人を描く横山秀夫の原点
わずか1mの直径。脱出口のない密室に一人で乗り、海の中を敵艦に体当たりする為に自ら操縦する「回天」。こんなものを兵器として実用化してしまった事事態が戦争の恐ろしさなのだと思う。
並木の弟が出征する並木に「立派に戦死してください!」という場面も恐ろしい。何の疑問もためらいもなく兄に「死んできて」と言えてしまう教育が怖い。
必ず死ぬ「回天」に乗ることを自分の中でどう理由付けるか。その葛藤が読んでいて息苦しくなる程伝わってくる。
読んだ後もずしりとくる。でもこの”ずしり”はずっと持っていなければいけないと思う。授業で受身で習うよりも、この回天の写真はそれ以上に戦争の恐ろしさを物語っているし、当時の状況や心境をこの本は物語ってくれていると思う。
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