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「黒い仏」「鏡の中は日曜日」を読みました

黒い仏 Book 黒い仏

著者:殊能 将之
販売元:講談社
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内容(「BOOK」データベースより)
九世紀の天台僧・円載にまつわる唐の秘宝探しと、一つの指紋も残されていない部屋で発見された身元不明死体。無関係に見える二つの事柄の接点とは?日本シリーズに沸く福岡、その裏で跋扈する二つの力。複雑怪奇な事件の解を、名探偵・石動戯作は、導き出せるのか?賛否両論、前代未聞、超絶技巧の問題作。

鏡の中は日曜日 Book 鏡の中は日曜日

著者:殊能 将之
販売元:講談社
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内容(「BOOK」データベースより)
鎌倉に建つ梵貝荘は法螺貝を意味する歪な館。主な魔王と呼ばれる異端の仏文学者。一家の死が刻印された不穏な舞台で、深夜に招待客の弁護士が刺殺され、現場となった異形の階段には一万円札がばらまかれていた。眩暈と浮遊感に溢れ周到な仕掛けに満ちた世界に、アの名探偵が挑む。隙なく完璧な本格ミステリ。

順番を間違えた。。。「美濃牛」→「黒い仏」→「鏡の中は日曜日」→「キマイラの新しい城」の順番で読まないと思いっきりネタバレ。「キマイラの新しい城」を先に読んでしまった私には「鏡の中・・」は一部始めから分かってしまった為、面白さ半減。

しっかしこの殊能さんの頭の中ってどうなってんのかな。トリックに禁じ手とも言える方法を使い、様々な薀蓄で読者を煙にまき、真面目に読んでるのが馬鹿馬鹿しくなったり、いやこれは私が知識不足なだけで、引用の部分や比喩の部分の背景を分かってる人には冴えたジョークなのか?と焦りもしたり。

例えば「黒い仏」は「黒仏」→「クロフツ」らしい。そしてこのクロフツはイギリスの推理小説作家で、戦前日本でも人気があったらしい。しかも作風は地道なアリバイ崩しの「リアリズム推理小説」。ふふっ こんな所まで伏線が。・・・・・わかるかいっ !!

だからこの本は私はさらっと読んでしまったけど、分かる人には「くすくすっ」と笑える伏線が沢山あるんだと思う。よくある薀蓄本だと「分かるかな~?分かんないだろな~」と小馬鹿にされてる気がするけど、このシリーズだと不思議とそういう感じは受けない。「鏡の中は・・・」の方で教授が

 「知らない という事は悪くない。知ったかぶりが良くない。」

と発言してる。こういう下地で殊能さんが書いてるからかな。ただ、読んでる途中は「そんなアホな」「ありえん」と毒づきながら最後まで読み終わらないと気持ち悪いというか。早く結末でケリをつけたくて読み急いでしまう。でも、読後感は悪くない。「ふふん、そういう事にしといたろか」なんて笑ってしまう。珍しい本だと思う。

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