「神々の山嶺(いただき)」を読みました
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神々の山嶺〈上〉 著者:夢枕 獏 |
内容(「BOOK」データベースより)
カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。そのカメラはジョージ・マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。カメラの過去を追って、深町はその男と邂逅する。羽生丈二。伝説の孤高の単独登攀者。羽生がカトマンドゥで目指すものは?柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。
色々な所で色々な人が勧めていていつかは読もうと思っていた本。エベレストに何故登るのか?という問いに「そこに山があるから」という歴史に残る回答をした登山家マロリー。(実際には"Because it is there."。単にめんどくさかったという説もあるらしい)そのマロリーのカメラを偶然手にした深町はカメラを追う事により、伝説の山屋「羽生」に出会う。
”山屋”の登山がこんなにストイックなものとは思わなかった。文字通り死と隣り合わせな所に大金を払ってわざわざ行く・・・・その「わざわざ」行く理由がこの本を読むと本当によく分かる。宗教的なものというより、普段の日常や世俗的なものから超越した意味での題「神々の」なのだと思う。
羽生には森田勝氏という実在のモデルがいる。Wikipediaで見ると本当に羽生は森田氏そのもの。本も凄かったけどそれを地で行った森田氏は恐ろしくすごい。マロリーも実在の人物でカメラが見つかっていないというのも本当の話。そういった事を知る事ができるだけでも嬉しいけど、一番嬉しいかったのはやはり、山屋の熱い想いを知る事ができた事だと思う。知る、というか本を読んで「仮想体験」した様な。
人に「お勧めは?」と聞かれた時、相手に関係なく推せる本だと思う。いい本だなぁ。
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