「美濃牛」を読みました。
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美濃牛 著者:殊能 将之 |
内容(「BOOK」データベースより)
病を癒す力を持つ「奇跡の泉」があるという亀恩洞は、別名を〈鬼隠れの穴〉といい、高賀童子という牛鬼が棲むと伝えられていた。運命の夜、その鍾乳洞前で発見された無惨な遺体は、やがて起こる惨劇の始まりに過ぎなかった。古今東西の物語の意匠と作家へのオマージュが散りばめられた、精密で豊潤な傑作推理小説。
「ハサミ男」が面白かったので、殊能 将之2冊目。なんだこの感じ。推理小説を読み終わった読後感とは違う感じ。途中、音楽やら俳句やら薀蓄が出てくるけど、それがまたそこいら中に出てきてボリュームもかなりある。クリームシチューの上田が3ページ毎に出没(しかも長い)する感じ。
でも、お堅くはなく”ふはは”と笑える様なものも多く、音楽も俳句も歴史も知識のない私でも結構面白く読めた。横溝正史を読んでおけばもう少し楽しめたかな。出てくる探偵役”石動”のすっとぼけ(褒めてる)口調が面白く、石動の会話が楽しみになる。
もうひとつ楽しかったのは天瀬さんの逗留先の奥さんの手料理。毎回かなり美味しそう。カレーのご飯が味付けなしの卵チャーハンというのは是非挑戦してみたい。後半あまり料理がでてこなくて残念。
そして物語(推理小説じゃなくて物語り、、という感じ)の方はギリシャ神話ミノタウロスが挿入されている。人と牛のハーフ(?お母さん→人間(ミノス王の妻) お父さん→牛)のミノタウロスをテセウスが迷宮で退治する話で、脱出不可能と言われた迷宮をテセウスはアリアドネという女性から貰った糸玉によって脱出に成功する。しかも、このアリアドネはミノス王の娘。
飛騨牛(羅堂家)になれなかった美濃牛(鋤屋和人)がミノタウロスでアリアドネは窓音ちゃん、そして天瀬さんがテセウスという事かな。でも、最後なんだか天瀬さんは迷宮を抜けてない。しかも、窓音ちゃんと天瀬さんの恋愛がどうも説得力がない。。。なんかもっと無言の引力みたいなものを感じさせて欲しかった。
探偵の石動さんが面白かったので、また読んでみようと思う。シリーズが出てるらしいので。
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