「家族狩り(第1部~5部)」を読みました
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幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉 著者:天童 荒太 |
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遭難者の夢―家族狩り〈第2部〉 著者:天童 荒太 |
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贈られた手―家族狩り〈第三部〉 著者:天童 荒太 |
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巡礼者たち―家族狩り〈第4部〉 著者:天童 荒太 |
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まだ遠い光―家族狩り〈第5部〉 著者:天童 荒太 |
内容(「BOOK」データベースより)
高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。馬見原光毅刑事は、ある母子との旅の終わりに、心の疼きを抱いた。児童心理に携わる氷崎游子は、虐待される女児に胸を痛めていた。女子高生による傷害事件が運命の出会いを生み、悲劇の奥底につづく長き階段が姿を現す。山本賞受賞作の構想をもとに、歳月をかけて書き下ろされた入魂の巨編が、いま幕を開ける。
なんともずっしりとした本。児童虐待が生々しく描かれているけど、表面だけでなく深く深く問題の内部を見て欲しい、という作者の祈りが読者に迫ってくるような迫力がある。虐待する親は絶対に悪いんだけど、その親にペナルティを負わせても現実的に解決策にならないというジレンマに読んでる方も悔しい気持ちになる。
子供を持ち、「育てる」という事に日々悩む。少しの事にイライラして子供に声を荒げて怒鳴ってしまう。後で反省するけど、また同じ事を繰り返してしまう。もし、将来この子と「心が通じ」なくなったらどうしよう、と不安にもなる。何を考えてるのか分からなくなり、人に危害を加えたり加えられたりしたらどうしよう。。。。等々。
考えすぎかもしれない。普段は楽しく遊んでいるし、そばにいないと私の方が寂しい位。でも、どんな母親でも同じ様な不安を胸のうちに抱えてるのだと思う。本の中の様な「家族の崩壊」掛け違いの歯車の最初の一個はどこにあるんだろう、何気ない生活の中に、自分の生活のなかにもあるんじゃないか?と。
残虐なシーンもあり読むのも苦しくなるけど、「知って!」という作者の熱い想いが優り読むのを止められない。5冊あるけれど一気に読める。
読み終えても、不安に対する明確な答えは得られない。でも、「相手を大切に想うこと」「(その為にも)自分を大切に想うこと。しっかり生きること」が大切だと私は思った。色々な立場で色々な読み方ができる本だと思う。
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