「ゼウスガーデン衰亡史」を読みました
ゼウスガーデン衰亡史 著者
小林 恭二 販売元
福武書店 定価(税込)
¥ 1,575
な、なんだこの小説。破天荒で無茶苦茶でハチャメチャ。眉を顰めて放り出すか、「まったくもう、まったくもう」と言いつつ最後まで読まされてしまうか。
私は後者だった。著者の勢いに寄りきりどすこーい であーる。(文体まで似てきた)
内容は
内容(「BOOK」データベースより)
下高井戸オリンピック遊戯場は場末のうらぶれた遊園地だった。しかし双子の兄弟藤島宙一・宙二の天才的な経営手腕と絶妙のコンビネーションにより信じられない急成長を遂げ、ゼウスガーデンと名を変え、ありとあらゆる人間の欲望を吸収した巨大な快楽の帝国となっていった。人類の欲望と快楽の狂走の果てにあるものを、20世紀末から21世紀末の歴史空間を通し、壮大なスケールで描いた三島賞作家の最高傑作長篇
「ローマ帝国衰亡史」のパロディだという事だけど、そうか、パロディって万にひとつも「素」に戻ったらいけないのか、と思わせられる。何しろ話は金平糖の角みたいに次々そこらじゅうから飛び出してくるわ、新しい登場人物は雨後の筍のように出てくるわ、そして話のつじつまは合わされる事無く勝手に時代は流れていくわ・・・・。
何というか、作者が「!(ひらめーいた!)」というものをそのまま本にしちゃった。という印象。だけど抗し難い勢いがあり、読ませる力をもっているというか。
筒井康隆がこの小説を賞賛したという。「虚航船団 」は途中挫折したまんまだけど、ワールドは似てるのかもしれない。コンパスが宇宙旅行しちゃう筒井ワールドならゼウスガーデンワールドとも相互理解できるのかな?
ちょっと普通の本、読み疲れた・・・という人にいいかもしれない。けど、人によってはもっと疲れたりして。。。。
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