「虹を操る少年」を読みました
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虹を操る少年 著者:東野 圭吾 |
東野圭吾さんって名前はよく聞いていたけど、ここ1年程前までは1冊も読んだことがなかった。それはテレビで映画「秘密」の宣伝を見たからかも。
広末涼子が娘役をしていた。妻が死後娘に乗り移ってしまい、その夫の心の混乱や葛藤と書いていたのだけど、私の単純な脳細胞では
父と娘 恋愛? なんだか 気持ち悪い
とイメージを持ち、それ以後東野作品にも手を出さなかった。
・・・・勿体無いことしてた。「白夜行」を読み始めた時、手を休める事ができず、深夜までかかって最後まで読んだ。疾走感というと違和感があるかな、何かに追われて切ない感じが東野さんの本にはあると思う。
そして今回「虹を操る少年」。これはミステリー?ではない感じがします。意外な人間関係が後半明らかになったりはしますが。
主人公の光瑠は既に3歳の時にあらゆるものの色の配合を見抜きます。彼には人の本質が光として見え、自らも光を使った音楽「光楽」を通じてメッセージを配信し始め若者達に熱狂的な支持を受けます。しかしその熱狂ぶりに商品価値を見出した大人や、現在の地位を脅かされると考えた大人達の魔の手が忍び寄ります。
主人公の光瑠がとても良いです。中途半端でなく、超越してしまうと些細な事で喧嘩や揉め事を起こさない。でも、見下したりクールになりすぎたりしない。映画とかになると
「こんな奴おらん」
となりそうな所、東野さんの文でさらっと読めてしまいます。読後感もとても爽やかです。
ただ、メッセージを受け取れる年齢層がほぼ10代の若者層に限られていました。三十路過ぎたおばちゃんとするとちょっと切ないなぁ。
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